人ごこち

移住者インタビュー

デザイナー 甲斐昭兵さん

プロフィール

甲斐 昭兵さん(諸塚村在住 職業:デザイナー)

2019年から諸塚村にご夫婦でUターンした甲斐昭兵さん。高校中退後、宮崎市内で内装業に就職したのち、22歳で東京の建築関係の専門学校に入学。卒業後は東京の出版会社や印刷会社で働きながら、独学でデザインを学び、2014年にデザイン会社を設立。甲斐さんは、東京で大企業と仕事をするなかで、大手の企業はクリエイティブの力をうまく活用していると実感。そこで、この力を地域に活用してみたら、面白くなるのではと考えるように。東京で暮らしている際に、両親から諸塚村の森林を活用した取り組みなどを聞いていたこともあって、自分の故郷でクリエイティブの力を活用できるか挑戦しようと、Uターンを決意しました。現在は、諸塚村で暮らしながら、ご自身のデザインの仕事を通じて、地域の盛り上げに一役買っています。

甲斐さんにお話を伺いました。

諸塚村の魅力

諸塚村の暮らしの面白いところは、長所と短所が表裏一体というところだと感じます。不便だからこそ住民同士で助け合いが生まれ、人と喜びを共有できます。また、何もないからこそ些細なことに心が反応し、感動が大きくなります。こんなふうに、日常がとても豊かなものに感じるのです。とはいえ、特別な日は少し物足りないかな、と感じることも。
一方で、都市部で暮らしたからこそ感じる、大変だなと思う部分もあります。地方で暮らしていると、地域の役割などにも関わっていかないといけないという忙しさがあるからです。しかし、大好きなデザインで地域に貢献できる喜びは、何ものにも代えられません。


デザイナー 甲斐昭兵さん写真2

仕事のこと

現在、諸塚村を拠点にデザイナーとして活動しています。移住当初は、パンフレットやポスターなどのコミュニケーションツール単体での依頼がほとんどでした。しかし、次第にコンセプト開発から発信方法までの、コミュニケーション全体を設計していくことや、デザインのプロセスをアドバイスするようなお仕事も増えてきました。移住した当初の志の一つ「地域にクリエイティブの力を流通させる」ということが、道半ばではありますが、実り始めているのかなと、ようやく手応えを感じられるようになってきました。今後、もっともっとクリエイティブの力を活用して、自然と共生する暮らしに対する共感を広めていきたいです。


デザイナー 甲斐昭兵さん写真3

移住者へのメッセージ

移住は、全く新しい体験や出会いの連続です。私の場合、故郷とはいっても、生活リズムや週末の過ごし方の変化に戸惑いを感じました。特に移住したての頃は、モチベーションが高まっていたこともあって、さまざまなことに挑戦しすぎて疲れてしまったことがありました。自分のキャパシティに合わせて楽しむことができるようになったのは、つい最近のことです。地域へ馴染む、慣らし期間といった余裕を持てるか、自分のキャパシティを保つことができるかといったことも合わせて、検討されると良いのではと思います。