

森林作りのスタートでもある育苗は、最近ではDNA鑑定や品種改良などにより地域・山の特性・用途に合った適切な杉を作る技術が進んでいます。
九州では挿し木が用いられ、良い遺伝子を持った木から採穂する為、品質や成長スピードの管理がしやすいのが特徴です。
約40年後よい丸太になれるかどうかは、苗の品質も大きく関わるため、林業にとってとても重要な職業です。
経験が必要な特殊な作業もありますが、機械を導入するなどし作業の軽減や効率化を図ることで、女性でも活躍できる環境に変わってきています。
スケジュール
06:00 |
起床 |
07:30 |
出社 |
08:00 |
15分程ミーティングをし作業開始 (10:00頃 15~30分程度休憩※時期や作業内容によって変動) |
12:00 |
お昼休憩 |
13:00 |
仕事開始(15:00頃 15~30分程度休憩) |
16:00 |
作業終了 日向事務所で打ち合わせ |
18:00 |
帰宅 |
育苗の主な作業※住友林業(株)東郷樹木育苗センターの場合
❶採穂 | 母樹(台木)と呼ばれる親木から、良い状態のものを選定し採穂します。1本の母樹から約50本の穂木が採れますが、よい穂木を作る為には母樹の管理も重要となり、7~8年かけ規格にあったスタイルに育てます。以前は山に行き、木に登り採穂していましたが、母樹を育てることで取りに行く手間や高所での作業もなくなり、安全で身近な作業となりました。 |
❷穂づくり | 穂づくりはトリミングとも呼ばれ、採種した穂を1本1本ハサミで規定の長さに切り揃えます。芯がある、良い状態の穂木を見極めながらの作業です。 |
❸挿しつけ | 裸苗とコンテナ苗で作業が分かれます。 裸苗:昔ながらの作り方で、主流となっています。きれいに穂づくりした穂木を土に直接挿し付けていき、育苗がスタートします。 コンテナ苗:用土混合充填機で土を詰めたコンテナに挿し付けをし、ビニールハウスで管理します。 |
❹育苗管理 | 裸苗:草取りや肥培をし管理します。 コンテナ苗:ビニールハウスで加温や遮光ネット、肥培をしながら管理します。 |
❺順化 | ハウスで育てた苗は、出荷の前に屋外で順化させ、自然環境に慣らした上で出荷の準備を行います。 |
❻出荷 | 成長した苗を50本ずつに束ね、袋にまとめ出荷します。重さは約13キロになり、採穂から成長した1年の重みがずっしりとしています。 |
- 裸苗
- 穂づくりした穂木を畑に植えていきます。昔ながらの作り方で現在も主流となっており、根強い人気があります。植え付けする人の経験と技量も必要です。
- コンテナ苗
- ハウスの中での作業となるため天候に左右されません。ムービングベンチを導入することにより一度に運べたり、ビニールハウスの移動も楽になりました。枯損率が少ないなどの理由から、将来はコンテナ苗の普及が注目されています。