人ごこち

移住者インタビュー

看護師 柴田桃子さん

プロフィール

柴田 桃子さん(美郷町在住 職業:ちくせん 集落支援員、”もうひとつの“こども園 Yattara看護師など)

海外を旅しているなかで、呼び戻されるように帰国したという柴田桃子さん。帰国後すぐに、「心を真ん中に置いた、自分たちのペースでゆっくり暮らすことができる場所」を探していたところ、条件に合う場所として美郷町を見つけ、移住してきました。海外を旅する前は、朝も夜も働き、四季を感じることも少ない暮らしをしていたそうです。不規則な仕事と外食中心の食事で体調も崩しがちになり、心も置いてけぼりの状態。都会での未来の人生が想像できずにいました。その後、環境を変えて、海外の田舎で暮らしてみることに。そこで有機農業に出合い、大自然や土と太陽の匂いがする人々に触れ、心と体に、生きるエネルギーや喜び、目的を取り戻していったそうです。だからこそ、日本で古くから受け継がれてきていた自然と共生するパーマカルチャー(持続可能な農的暮らし)、生きる知恵のある暮らしがかなうことが、帰国してからの定住地の一番の条件でした。今では、その条件を満たす美郷町で、これまでの経験を活かしながら、”もうひとつの“こども園 Yattara看護師をはじめ、心のヨガ講師、蜜蠟エコラップといったエコ商品を販売するかたわら、ちくせん集落支援員も務められています。

柴田さんにお話を伺いました。

美郷町の魅力

美郷町の魅力は、山間の景色や美しい川が沢山流れていること。また、薪風呂が残っていたり、山から水を引いていたり、昔ながらの火のある生活が残っていること。さらには、伝統的な備長炭を作る炭焼きをはじめとした、自然と一体となった心身が癒される暮らしができるところです。隣接している街まで、買い物に行くにも30分程度とそれほど遠くないため、生活に必要なものにも困りません。信号機や街灯、夜空いているお店がほとんどないため、満点のきれいな星空の下、ゆっくりと時を感じられます。そんな時間が持てることに感謝でいっぱいです。また住んでみて一番良かったと思うのは、人の温かさです。初めて美郷町に訪れた時は、アットホームな役場の雰囲気に驚いたとともに、初めての地での不安な気持ちが和みました。美郷町の住民性は、親身で穏やか。移住当初から、本当に優しく受け入れてもらえました。


看護師 柴田桃子さん写真2

仕事のこと

私は現在、”もうひとつの“こども園 Yattara看護師をはじめ、心のヨガ講師、蜜蠟エコラップといったエコ雑貨の小売りなどを仕事にしています。私自身の今のテーマが、仕事と暮らしを区別しない「暮らしに仕える事」としています。移住前から、自分が経験してきたことすべてを活かして、誰かに貢献できることや自己実現できることをやっていきたいと思っていました。海外での暮らしを通して、広い視野で何でも好奇心を持ち、自分で物事を考える力や心の在り方に変容が起きたことで、何事にも感謝ができるようになり、楽に生きることができるようになりました。都会・田舎、日本・海外どこに暮らしていても、心の中は見えづらく、気が付かずに後回しにされがちです。だからこそ、看護師の経験も活かし、携わっているこども園の子どもたちや子育て中のお母さんをはじめ、すべてのライフステージの人々の心のケアを主にやっていきたいと思っています。令和4年度からは、地区別定住戦略事業「ちくせん」の集落支援員にもなりました。この持続的な地域コミュニティの活動に関わり、人々と交流しながら、歴史や伝統を共に学べることに、大変やりがいを感じています。身近な方々の笑顔、心と暮らしの豊かさ、人と人とのつながりを一番大切にしていきたいです。


看護師 柴田桃子さん写真3

移住者へのメッセージ

私たちが移住した後にも、新しい移住者の方が入った話をよく耳にします。令和2年度から町内24の行政区ごとに住民が主体となって定住促進の取り組みを定め実践する、美郷町地区別定住戦略事業「ちくせん」が始まりました。この事業で24行政各区、また美郷町全体でのつながりが進み、盛り上がっていくでしょう。私はまだ知らないことが多いですが、美郷町の懐かしく・新しい魅力を、今後移住する皆さんも発見できると思います。一度美郷町に訪れていただき、住民の方々や空気・自然に直接触れてみてください。心穏やかに、ゆっくりと時が流れる里山に、ほっと一息つけると思います。